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2016.06.20 掲載 2023.08.18 更新

なぜ3月決算が多い?3月、9月、12月決算を選ぶそれぞれの理由とは| 経理を0から学ぶシリーズ 6

経理代行によって業務の効率化、コスト削減を実現する

FOC経理アウトソーシング

考える経理担当
毎年5月の半ばを過ぎると、大手企業を中心に決算の発表や報告についてのニュースが増えてきます。また5月の後半から6月の上旬にかけては株主総会に関するニュースが増えてきます。
その理由は、多くの企業は3月決算であり、その報告や株主総会がこの時期に集中しているからです。
なぜ、3月決算が多いのでしょうか。また、その理由とは。今回は、決算と決算期について解説します。
 

■3月決算が多いって本当か?

国税庁は毎年、法人税や所得税等各種税目別の申告者数や申告金額などを統計資料として発表しています。
参考Webサイト 国税庁統計情報
https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/tokei.htm
その中に「決算期別の申告法人数」(年ごとに統計年報/直接税/法人税の中にあります)のデータがあります。
「3月決算が多いって本当?」という疑問を統計資料から確認してみましょう(年1回決算法人を対象)。
申告法人数
全申告法人数2,608,442社のうち508,507社、割合にして19.49%が3月決算という結果が出ました。次に多いのは、9月決算、その次に多いのは12月決算です。
日本では3月決算が多い印象がありますが、数字で見ると20%だということがわかります。
 

■決算業務とその流れは?

前回の「決算書の作成方法。仕訳から決算書ができあがるまで」でも触れましたが、あらためて決算業務の内容とその流れを大まかに説明しておきましょう。
一口に決算業務といっても、その会社の規模(上場企業なのか非上場企業なのか)、あるいは一般法人なのか公益法人なのかなどによってそれぞれ異なります。今回は、一般的な法人のパターンでみていきたいと思います。
決算の業務では決算書の作成が中心となります。その決算書をもとに法人税や消費税などの計算をして申告および納付をし、その決算書を監査役などのチェックを経て株主総会に提出します。
諸般の事情で申告期限の延長などをしなければ、法人税や消費税などの申告は決算日から2ヶ月以内、株主総会の開催は決算日から3ヶ月以内となりますので、決算時期の経理部門はとても慌ただしいです。
ここから、冒頭に触れた「決算報告や株主総会の集中」は
・3月決算企業が多い
・決算業務のスケジュール
の2つの要素によって起きていることがわかります。
 

■なぜ3月決算が多いのか?

会社は事業年度を1年以内の期間であれば自由に決定することができます。また、一度決めた事業年度をその後の状況変化に対応するため変更することも可能です。
決算期を決めるにあたり、その会社の繁忙期や資金的な余裕を考慮して決定することも多いようです。それにも関わらず、なぜ特定の時期に決算日が集中するのでしょうか。
3月決算が多い理由として考えられているものにはいくつかありますが代表的なものを3つ挙げてみましょう。
1. 国や地方公共団体の会計年度が3月であるため
国や地方公共団体、その他公共機関を取引先(売上先)としている企業の場合、合わせて決算期を3月にするパターンが多いです。国や地方公共団体の会計年度はその予算を消化するための期間になります。年度末には、消化しきれない予算を消化するためにさまざまな公共事業が民間企業に発注されます。そういった公共事業の受注のため会計年度に合わせたケースがよく見受けられます。
また、公共事業を受注できる会社は大企業等に限られる場合が多く、日本の場合、全事業所のうち99%以上が中小企業であることを考えると、大企業から受注する数多くの中小企業が大企業に合わせた決算月として3月決算を選択している場合も少なくありません。
2. 日本の教育制度が4月~3月という期間であるため
次に大きな理由として考えられるのは、国の教育制度による影響です。ご承知の通り、日本の学校では4月に入学し3月に卒業となります。その結果、企業が人材を新社会として採用・育成しようとする場合に、入社時期を4月にせざるを得ないため、それに合わせている可能性があります。また、人事制度の設計も4月~翌3月の期間が中心になります。多くの企業にとって人件費が占める割合が大きいことから、3月決算を選択していると考えられます。
3. 税法の改正に適応する
税法といった法律の改正は4月1日から適用されることが多いです。そのため、決算日が3月末以外であれば会計年度の途中に仕訳の方法などを変更する必要があります。
 

■9月決算が多い理由

2番目に多い9月決算。この理由は、は3月が監査法人または税理士にとって繁忙期であるため、ずらしていることもありますが、先述した通り4月は人事異動など社内イベントもあります。そうした社内外の業務のピークとかぶらないように9月決算を導入している企業が多いです。
 

■12月決算が多い理由

これは、一般に暦に合わせるかたちで1月~12月を事業年度として選択する企業が多いと考えられています。また、規模が小さい企業の場合、個人事業を法人格に変更することが多いのですが、その場合個人事業としての事業年度である1月~12月をそのまま法人の事業年度として採用するケースも多く見られます。
 

■国際会計基準との関連で大企業が12月決算に移行している

ここ数年、3月決算から12月決算に移行する大企業(花王、東洋ゴム工業など)が増えています。これは国際会計基準(IFRS)を中心とした企業のグローバル化が理由と考えられます。たとえば、欧米の企業は12月決算が多く、中国では法令で12月決算と定められているようです。
国際会計基準では親会社と子会社の決算期を統一するように求められます。その場合、12月決算の海外子会社と3月決算の親会社の決算を連結するために、「期ズレの例外適用」によって連結決算を作成していましたが、期ズレによる影響も小さくはありません。そこで、自社を含めた関連会社のすべてを12月決算で統一していると考えられます。
会計の世界でも「グローバル化」が存在しています。日本の大企業、中小企業の海外進出がますます進んでいくと、12月決算の企業がもっと増えるかもしれません。もしかしたら皆さんの会社も来期から12月決算に移行なんていう発表があるかもしれませんね。
 

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ライタープロフィール

くもと編集

マーケター兼編集者
FOC 当コンテンツの編集者。 宝飾業界と広告会社を経て2008年 FOC入社。営業や制作ディレクターを経験し、現在はWebマーケティング担当兼当コンテンツの編集を担当。 「FOCのサービスに直接関係のない記事であっても、読んでくれた方の役に立つ情報をお伝えしていきます。」

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