人事の仕事で関心の高い「人事制度企画立案」とは | 人事担当者の仕事と役割 4

人事制度企画立案

前回は、人事部門の5つの機能の1つである「処遇決定」についてお話ししました。人事担当者の仕事と役割の4回目は、「人事制度企画立案」についてです。

 

■人事制度の企画立案は高い専門性と視野が必要な分、やりがいがある

人事部門の仕事として、とても重要なものに「人事制度企画立案」の機能が挙げられます。一般的に、人事の仕事に関心がある方の多くは、この仕事の関心が高いように思われます。人事制度の立案には、高い専門的な知見が求められていると言えます。例を挙げれば、人事制度を企画するうえでは以下のことを考慮に入れなければなりません。

 

  • ・処遇決定機能の前提をなす人事制度の構築であること

 

  • ・企業における人件費管理の指標となるものであること

※総人件費は企業の損益計算において大きなウェイトを占めている
※人件費は個々の社員の企業へのロイヤルティにも無縁ではなく、結果として個々の社員のパフォーマンスにも大きな影響をもつものであること

 

  • ・評価の結果をどの程度、個々の社員の処遇に反映していくべきかは、人件費管理とも無縁ではなく、結果として損益計算上の数値に影響するものであること

 

  • ・各部門や各役職の役割にはどのようなものがあり、それぞれの役割のどの部分を評価の対象とするのか、評価対象にされた役割のウェイト付けはどうするか

 

  • ・評価指標は客観性が担保されているか、評価者による恣意性はどのように排除されるべきか

 

  • ・評価サイクルはどうするか

 

  • ・評価結果は基本給、賞与、インセンティブなど、といった支給項目のどこで処遇させるか

 

以上のように考慮すべき点が多く、どれもとても重要になります。

このため複雑な人事制度の企画立案になればなるほど、専門のコンサルティング会社の力を借りて、設計していく企業も多くなり、企画立案業務そのものが抱えている難易度の高さの表れだと言えます。

そして、この企画立案には、

「自社への理解」
「各部門の役割への理解」
「社員にどのように成長していってもらうか」

を踏まえ、“会社として最も戦略的に事業を進めることができるか”、きちんと見据えるスキルが必要であり、担当者個人のスキルに依拠するところがあります。

つい、成功している会社の人事制度を真似したくなりますが、自社で成功するとは限りません。それは、こういった理由があるからです。これが人事制度の企画立案業務の難しさの所以であり、また醍醐味でもあるわけです。

次回は、「能力開発機能」について説明します。

ライタープロフィール

横井 祐

横井 祐

特定社会保険労務士兼DCプランナー

特定社会保険労務士、DC(Defined Contribution Plan 確定拠出型年金)プランナー。自動車メーカー系総合商社、ベネッセスタイルケアを経て2010年ヨコイ・マネジメントパートナーズ設立。 2015年度厚生労働省過重労働対策セミナー&労働条件相談ホットライン検討委員会メンバー。 介護保険、人事マネジメントに関する書籍等の執筆、社会保険労務士業、経営コンサルティングサービスなどで全国各地の顧問先のお客様と日々奮闘中。